カトマンズからツーリストバスで八百円ほどを支払い、第二の都市ポカラへと向かった
ネパールの道はとにかくボコボコでまともに車が走れない
綺麗に舗装された道なんてものはほとんどなく、常に車内は震度三以上だ
僕の席はバスの後方だから余計に跳ねる、脳が揺れる、疲れる
たった200kmの距離を7時間以上かけていく
山道で滑落の恐れもある上、その道しかないのでとにかく混むのだ
ネパールの物流は本当に不便なのだと思う、ドローン事業で革命を起こせると思う
そんな感じで到着したポカラ初日
人通りはカトマンズの十分の一以下、喧騒からついに解放された
湖を眺めながらビールを飲んで過ごしたり
予約していたホステルになぜか置いてあった風の谷のナウシカをむさぼり読んで時間を過ごした
ポカラ二日目、のんびりできて気分はとても良い
まだリゾートとは呼べないが、ゆったりした時間を過ごすには十分な場所だと思う
だが心残りがあった
それは、「ヒマラヤを目にすることができていない」ということだ
ネパールといえばヒマラヤ、エベレストだ
なのに一目も見れずに去るなんて…この思いが抑えられずにいた
一応色々調べてはいた
飛行機を使えば途中で機内の窓から見えるかもしれない、ヒマラヤを見るためのフライトツアーだとか、実際に何日もかけてトレッキングをするツアーetc…
どれも確かに魅力的だが、滞在期間と何よりもお金が高くて手が出せなかった
トレッキングに着目したところプーンヒルというアンナプル山系の場所がとても見晴らしが良く、8,000メートル級の山々まで望めるとあった
どうもこれが3泊4日とか5日間だとかでいけるらしい
今は6/2、カトマンズを6/8の飛行機で出発するので6/7の朝にはポカラを出発するバスに乗る必要がある
ということで僕に残されている時間は3,4,5,6の4日間しかない
プーンヒルのトレッキングツアーも一人込み込みで3万円以上するとのことだった
これでは到底手は出せない…
じゃあツアーじゃなくて個人でいけばどうだろうか?
可能性を検討していくつか単独で登頂した事例のブログを見つけることができた
費用や安全性なども検討した結果、いけると踏み切り早速準備開始
明日の朝には出発するから時間はそんなにない
諦めてゆっくり過ごそうと湖畔で朝食を食べていたのだが、いける可能性が見えた途端に切り上げて急いで宿に戻った
宿のスタッフにプランを話すと地図を指し示してこう行けばいいと教えてもらった
早ければ三日間でポカラに帰ってこれるという
だがネパールでトレッキングをするには、パーミットが必要だ
なのでそのパーミットを取りに行く
もちろん手配なんてする時間はないので、自分で30分ほど歩いたオフィスに向かう
必要書類を書いて、写真を撮ってもらって二種類のパーミッションを無事に入手することができた
合計5,000ルピーと痛い出費ではあるが、もう行くと決めたのだ一切後悔はない
maps.meに三日間もしくは四日間でどういうルートを通るのか、ピンを挿していく
宿にある地球の歩き方ネパールトレッキングやブログも参照しながらプランを練る
だいたい1時間くらいだろうか、これでいけるという目処がたった!
僕は高校生の頃ワンダーフォーゲル部に所属していたこともあり、懐かしい登山計画となった
まずは装備だ
結論から言うと特に買い足すものはなし、今あるものだけでいくことにした
シューズは履き慣れているし運動に向いている、ウルトラライトダウンもあるから防寒も大丈夫!
登山道は村を転々と行く感じらしいのでご飯や宿の心配もなさそうだし、迷わないはず
通常はガイド(道案内をしてくれたり説明をしてくれる)やポーター(荷物を運んでくれる人)を雇っていくそうだが、もちろんそんな余裕はない
宿に預けるのは不安だったし、いざ帰りが遅れた時に面倒なので荷物は全部持っていく
10kg背負って登山をする覚悟を決めた
ルートはプーンヒル登頂を目指す一般的なものを選んだ
以下に登山行程を記す
<1日目>
宿を7時過ぎに出発、タクシーでナヤプル行きのバス停へと向かう
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バスに乗り込んで2時間くらいかけてトレッキングスタート地点のナヤプルへ
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村を渡り歩きながらウレリというところを初日のゴールとして一泊する
日が落ちるまでに行動しなくてはならないので余裕を持ってウレリに4~5時頃に到着を目指す
<2日目>
ウレリを朝に出発
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昼にはゴレパニというプーンヒルの手前の村に到着
2日目の行程は比較的短くなりそう、プーンヒルは朝日が素敵らしいので2日目で登頂は十分可能だがゴレパニで1泊して翌日の早朝にご来光を拝む予定
<3日目>
早朝ゴレパニを出発
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プーンヒルに登頂、日の出とヒマラヤを眺める
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東へと向かいまずはタダパニへ
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ガンダルンに到着、泊まるorバス
<4日目>
1時間ほど歩いてバスに乗ってポカラに戻る
行きと同じ道を帰るのはつまらないので別ルートを選択、時間的に途中のバス乗り場でトレッキングを終了して帰るプランだ
ガンダルンまでかなり距離があるのでバスがある時間に帰れるかやその時間帯などによって、ガンダルンで一泊するかどうかを決めるつもりだ
もし遅く到着する場合はガンダルンで一泊して4日目起きてポカラに帰る
ちゃんとPlan Bも用意してあるし、それでもカトマンズのフライトには間に合う我ながら完璧な計画だ
山をなめたらいけないと重々承知しているので、かなり下調べをした
さあ挑戦!力をつけるために近くの日本料理屋でカツ丼を食べる
そこで日本人とも出会い、エールを受ける
ワクワクを抑えて明日に備えて眠る、さあ登ろう